できない、知らないことを恥じず、今は多くの恥を経験するとき

水球部監督
青栁 勧

18歳で当時史上最年少で日本代表に選出される。スペイン、イタリア、モンテネグロのプロチームで活躍し、イタリアのセリエA1プレーヤー、欧州チャンピオンズリーグ出場など日本人初の快挙を成し遂げた。2010-12年まで日本代表主将。2009年10月から本学水球部監督

水球を通して人間的に成長する

新潟産業大学水球部の強みは、希望すれば海外での経験ができるということ。私は海外とのパイプがあるので、希望する選手はどんどん海外のチームに送り込んでいます。私自身、若い頃に海外に飛び出て、プロになりたいという夢を持ちました。次の世代である学生にも同じように広い視野を持ってもらいたいという気持ちがあります。

また、海外に出ることで言葉を覚えたり、人脈を作ったりと、水球以外にも多方面で経験を積むことができます。そういったものが最終的に自分に還元し、社会で生きていく上でも役に立ってくることでしょう。

そのためにも、私は海外に行く学生を「サポートしすぎない」ことを意識しています。何も学ばずにただ海外旅行へ行って帰ってくる、ということではもったいない。簡単な言葉こそ教えますが、大切なのは本人たちが現地で「会話ができない」という体験から危機感を持つこと。それが学習への動機づけになります。

私が学生に対してしてあげられることというのは、危険が無く安全に海外へ行き、帰ってくる、その体制を整えるところまでです。もちろん右も左も分からないところに行くので、ある程度は私の知り合いを頼っていけるように道は作りますが、それ以上の、たとえば日々のスケジュールや練習内容などは私はノータッチで、自分で現地で交渉して開拓するよう促しています。

サポートしすぎないことで、学生は様々な苦労、経験をして帰ってきます。そうして得られるものは沢山あって、人脈もそうですし、言語を習得するチャンスもある。将来的には、その人脈を通してビジネスが生まれる可能性だってあります。また、水球の日々の練習においても、勝ちに行くためのプロセス、そこに至るまでのチーム内のマネジメントなど、社会に出てから生きてくる経験がたくさんあります。

「水球はマイナーで将来性がない」?そんなことはありません

大学生にとって水球はマイナーで将来性が無いように見えるかもしれませんが、本人の取り組み方次第で、人間的に大きく成長することができるスポーツです。私は水球部の監督ですが「水球だけをやっていれば良い」とか「水球が上手ければ良い」という考えは全くありません。
水球に取り組みながら色々なことに手を出して、将来のチャンスを広げてほしい。それは日頃から学生にも口うるさく言っていることです。もちろん水球部に所属する学生だけでなく、他の活動に取り組んでいる学生も同じ。目の前のことに全力で取り組みながら、興味のあることにはどんどん手を出して、将来に活きる経験、チャンスを自らの手で掴んでください。

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在学生へのメッセージ

私は学生一人ひとりが必ずできると信じているからこそ、常にレベルの高いことを要求します。それはスキーを学ぶ過程と同じです。スキーを滑ったことのない学生は、何度も転げて初めてボーゲンで滑れるようになります。しかし、パラレルで滑ることのできる私は、もっとスピードを出して滑るともっと楽しいことを知っています。やっと滑れるようになった学生に、パラレルの技術を教えると、また必ず転げてしまいます。誰も転げて喜ぶ人はいません。逆に恥に感じたり、苦痛に感じたりします。だからと言って、恥じることを恐れ、ごまかし、諦めてしまうと、それ以上のことを知ることはできなくなってしまいます。
もちろん、それでいいという人もいるかもしれませんが、それらのことを乗り越えれば、もっと新しい発見、楽しみが生まれることを私は知っています。だからこそ、本校の在学生だけにはその大切さを伝えていきたいと思っています。
是非、何のために本校へ進学を決めたのか改めて再認識し、転げることを恐れず挑戦をしてください。