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江口潜准教授が日本地域学会 大石泰彦賞(論文賞)を受賞しました

 本学の江口潜准教授が、2022年度 第31回「日本地域学会 大石泰彦賞(論文賞)」を受賞しました。日本地域学会では,地域学(regional Science)の発展に貢献する優れた会員の業績をたたえる為、 学会賞を毎年授与しており、そのなかでも論文賞はすぐれた研究論文によって地域学の発展に著しく寄与し,研究業績の意義や貢献が多大である会員を表彰するものです。

 大石泰彦賞は、日本地域学会の元会員である故大石泰彦氏の学会における業績と貢献を顕彰し、 かつ同氏に敬意を表わすことを目的としている賞です。学会賞の授与式は10月8日にオンライン形式で行われました。

◆受賞論文
NIMBY (not in my backyard) conflicts: a simple game-theoretic analysis
【和訳:ニンビィー(迷惑施設の近隣地区への建設への反対運動)についての簡単なゲーム理論的分析】

◆江口潜准教授より、論文の概要と受賞についてのコメント

 今回、2020年にAsia-Pacific Journal of Regional Science 誌(Springer社刊)に掲載された私の論文に対して「日本地域学会」という学会から「論文賞」を頂きました。この賞は30年以上の歴史ある賞で、私は35人目の受賞者ということになります。大変名誉な事に思っております。受賞対象となった論文はニンビィー問題(NIMBY,迷惑施設について「我が家の裏庭に作られるのはごめんこうむる」という建設反対の声や運動が起きる問題)について、そのような争議が「起きる・起きてこない」の違いが生まれるのはどのような点に原因や違いがあるのか、といったことを平易なゲーム理論の枠組みを用いて説明したもので、掲載された後、他の英文学術誌で既に5件を越える引用が行われ、そのような引用の多さが評価されての「論文賞」受賞となりました。論文内容は従って例えば私たちが時々見かける「迷惑施設建設反対運動」といった住民運動が、果たして「住民エゴ」と言って非難されるべき行為なのかどうか、あるいは仮に迷惑施設がある地区で建設受け入れとなったとして、受け入れた住民の心に一抹の「不満感」が残るとすればその正体や原因は何であるのか、といったことについても従来の研究にはない、ゲーム理論を通じた説明が与えられており、そのあたりはニンビィー争議に巻き込まれた人が感じる心の負担についても、それを言語化し光を当てる一助になれているかと思っています。
 いずれにしても、このような論文を柏崎という地から世の中に送り出すことができたこと、そしてそれが大きな賞を頂くに至ったことは、長年新潟産業大学に勤務し、柏崎の地で暮らしてきた一員として、深く喜びと感謝に思っています。今後とも研究教育活動に微力を尽くす所存です。

◆受賞論文はこちらから
Sen Eguchi NIMBY (not in my backyard) conflicts: a simple game-theoretic analysis
Asia-Pacific Journal of Regional Science volume 4, pages821–833 (2020)

◆日本地域学会の受賞ページはこちらから

 

新潟産業大学 大学院経済学研究科